• 第23話 吹雪の中で

    ~2016.03.01(月)~  昨夜から全道に渡って記録的な猛吹雪に見舞われた。今年の冬(札幌圏)は雪が少ないからもう直ぐ春が来ると仲間の顔がほころび安心していた矢先だったが、北国の冬はそう甘くはないようだ。遅れたバスを待っていると、二人の高校生が楽しそうに話しながら傍を通り過...

    2016.03.01, 月曜の朝

  • 第22話仰げば尊し わが師の恩

    ~2016.02.15(月)~  冠省  T君!昨年は貴兄はじめ幹事諸君の“あの頃”と同様に、実に爽やかで深い思いやりに浴し、初めて開いたクラス会に参加でき誠に有難う御座いました。春の早慶戦で同級生が揃ってはじめて新宿へ行進する途中、“紺碧の空”を大声で歌う見知らぬ隣の青年に声を...

    2016.02.15, 月曜の朝

  • 第21話「氷川清話」を読む

    ~2015.10.19(月)~  幕末・明治期の政治家である勝海舟は文政五年(1823年)江戸で生まれ明治三十二年(1899年)に赤坂氷川町の自邸で七十七年の生涯を閉じたが、その人生は波乱に満ちていた。前半の四十五年間では江戸幕府の瓦解にまで立会い、慶応四年(1868年、明1)の...

    2015.10.26, 月曜の朝

  • 第20話 新入社員研修

    ~2015.9.28(月)~  毎年、新年度が始まる四月初旬から五月末までの約二ヶ月間、私が新入社員研修の講師を務めて来た。企業組織や上下関係を知らない新入社員たちの眼に“会長”という妙な肩書きを持つ私の言動や立ち振る舞いが、どの様に映るであろうか?想像も付かないままに講師を続け...

    2015.09.28, 月曜の朝

  • 第19話 早春賦

    ~2015.4.13(月)~  去る三月二十八日午後より我が社の“入社式”がAKKビル2階会議室で行われた。  このビル(札幌市中央区二十四軒)には平成七年五月から平成二十五年五月まで約18年間に渡り本社を設置、辛いことや楽しいことなどの思い出がぎっしり詰まった想い入れの深い建物...

    2015.04.13, 月曜の朝

  • 第18話 ひな祭り

    ~2015.3.30(月)~  漸く街中の雪が解けはじめた二月下旬の土曜日、いつもお世話になる調剤薬局の片隅で家内と一緒に名前を呼ばれるのを待っていると、窓辺に暖かな日差しが射し込みポツン~ポツンと屋根から雪が解ける音が聞こえて来た。雨だれの音が春を告げている・・窓を覗くと無数...

    2015.03.30, 月曜の朝

  • 第17話 我が家の庭先

    ~2015.2.16(月)~  穏やかな天候に恵まれた正月が過ぎて間もなく、狂ったような吹雪に見舞われた。  前日は青空が晴れ渡った日曜日で孫たち(姉11歳と妹9歳)が我家を訪れ庭の隅で雪だるまを作るのを手伝った。物置小屋(私の道具箱)から炭の欠片を探し出し姉妹に渡すとのっぺら...

    2015.02.16, 月曜の朝

  • 第16話 クリスマスの思い出

    ~2014.12.24(水)~  ひとつ、クリスマスには思い出がある。それは様々な光を放つツリーの飾りのようなもの、張り巡らされた記憶の枝に留まりいつまでも柔らかな明かりを灯し続ける。  時々、私はハーモニカを吹きストレスを発散することがあるが、最初に手にしたのは小学四年生の夏...

    2014.12.24, 月曜の朝

  • 第15話 (最終回)白蛇伝~「コムカラ峠」外伝~

    ~2014.10.27(月)~  翌朝、祭壇の左右には紙で作られた金と銀の蓮華が左右を装い、正面の上段には黒いリボンに飾られた遺影、中段には位牌と一膳ご飯が供えられた。下段には物々しい香炉と古びた一対の燭台、この二つの仏具は我が家に代々伝わるもので苫小牧の叔父の話によれば亘理藩...

    2014.10.27, 月曜の朝, コムカラ峠

  • 第15話 (八)白蛇伝~「コムカラ峠」外伝~

    ~2014.09.22(月)~  その日、真夜中に雪ちゃんを看護している母から電話が入り、いつも連絡係を務めていた幸ちゃんがいち早くこれを受け取った。日頃から慌しい母の様子を陰で伺っていた彼女はこの日が迫っていることを察知して夜中でも待機していたらしい。直ぐに私の部屋の戸を叩き...

    2014.09.22, 月曜の朝, コムカラ峠